MTG部屋にAtermをConverterモードで設置してインターネットが快適になった話

Posted by jolantern on Thursday, September 17, 2020

断っておくと、僕は情シスエンジニアをしている。SIerの経験もあるが無線のプロじゃない。どちらかといえば不得意な分野に入るだろうと思う。まあ、少しかじった人なら無線の難しさは想像がつくと思うので優しい気持ちで読んでほしい。

詳しい話は割愛するが、私はリモートワーク中のMTGを生活空間とは少し異なるところでやっている。妻もリモートワークをしていることや、間取り的に生活感が丸出しになるのが嫌だとか、映り込むのが嫌だとか、色々あって壁を背に出来る部屋に移動している。問題になるのは、メインの生活空間であるリビングにおいてある無線が微妙に届きづらいのだ。

無線APはAtermのWG2600を使っていた。古い機種だけど、11acに対応していて当時のフラグシップモデルだったのでまあ使えている。しかしリモートワーク関係なくこのAPで少し限界が見えていたことがあって、上記のMTG問題だけでなくそもそも接続している機器が多すぎて安定しなかった。ざっと30台はこのAPにぶら下がっている。その上、MTGを別の部屋でやると当然無理が出てくる。リモートワークを始めた頃はそうでもなかったのだけど、あれからぶら下がる機器が増え続けてドンドン重たくなっていっている。妻がリモートワークになったのも原因の一つかもしれない。そもそもの課題として、引越し先を想定した模様替えをしようとしていて、私はいずれ今のMTG部屋をメインの作業環境にするつもりだったので、部屋の無線問題は解決する必要があった。

案1:LANケーブルを敷設する

却下だ。この家、なぜかリビングから廊下に通じるドアだけ異常に気密性が高い。薄っぺらいLANケーブルなんて通らないし、引っ越す予定があるのにベランダに耐候性ケーブルを這わせる気にはならない。

案2:メッシュWifiを構築する

却下だ。高い。引っ越すんだよ。お金ない。

案3:余ってるAP使ってどうにかする

で、結局これになった。以前Merakiの講習を受けたときにCisco社から頂いたMeraki MR33があったので、これを利用することにした。結論を言えばこの環境構築にMerakiは高性能過ぎる。恐らくコンシューマ向けの製品のフラグシップモデルでいい。ただし、4ストリーム以上の通信ができないとAtermより劣るので何も改善しないだろう。そこだけ気をつける必要がありそう。WebUIで全部管理できるのは最高だったけど、複数Merakiを置かないなら不要だろう。でもオフィスのWifi管理を自分でやるならMerakiがいい!!!って気持ちが高まったので、Cisco社の宣伝には十分ハマったなと思う。なんなら新居はMeraki goにしたい。でも今はいい。お金ないからね。

構成

こんな感じになる。

親APをAterm WG2600からMeraki MR33に変更

これは簡単で、普通に差し替えてしばらくするとMerakiの管理画面からあらゆる設定が変えられるようになった。バリクソ便利。設置前にキッティングとかしなくていい、DHCPサーバがどっかで動いててMerakiからインターネットが見えるんだったらそれでいい。あとから変えられる。実はろくにドキュメント読まずにやったんだけど、全然簡単だった。

余談だけど、我が家にはホットクックが有る。こいつ、古いファームウェアだとAPのボタンを押してWPS認証以外でWifiに繋がらないのだ。Merakiにそんなものはない。しかし、Meraki MR33は複数SSIDを設定できるので以前の設定内容とまるごと同じものを設定してあげると接続できた。ファームウェアもアップデートしたので、新居のネットワーク構築時の対応を1つ減らせたなという気持ち。

AtermをConverterモードの子機として設定する

詳しくは公式サイトを見てほしいけど、簡単に言えば本体のDHCPサーバを一時的に有効にする方法があるのでその状態で起動して、有線でパソコンに繋いでMeraki MR33の認証情報を入れたらおしまい。5GHz固定にして、何も小難しいことはなかった。MTG部屋に設置して、LANポートにPCを繋ぐと疎通確認できる。

結果

もともとMTG部屋では、50Mbps出れば良い方で、速度はまあ普通なんだけど安定しないという感じだった。MTG相手の音声だけ聞こえなくなったり、映像が止まったりする。結果として送受信する映像の解像度を落としたりする必要があった。それがなんと300Mbps近く出るようになったし、解像度落とさなくても普通にMTG出来るようになった。

なぜ改善するのか

「結局無線でつないでるじゃん、なんで速度上がるの?」という疑問があると思う。一言で言ってしまうとアンテナの本数も性能も段違いだからだ。MBPは僕の記憶が正しければアンテナは1本だし、866Mbpsしかでない。11acに対応していてもだ。一方でAtermはアンテナは4本あるし、4ストリーム通信できる。要するに帯域の太さが違う。そもそも無線通信のためだけに作られて、親機として大量のクライアントがぶら下がることを想定して作られた機器が1:1で無線通信を本気でやればそりゃ早い。あと、単純にMeraki MR33が強いって話もあると思う。