スモール・リーダー・シップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー を読んだ

Posted by     "jolantern" on Tuesday, May 28, 2019

社の人が読書ログに書いていて、今いるチームは小さいしちょうどいいんではとおもって読んでみた。僕自身はリーダーを、役職としてやりたいとは全く思っていないけど、いろんな視座の考え方を知れるのはいいことだと思うので読むことにした。何かしら、チームを牽引するための考え方を知れるとお得だとも思ったからだ。

総評

  • 読みやすい
  • リーダーじゃなくても読めばいいと思う
  • 小さいチームをまとめる人とか、小さいチームで自分が主体となってなにかしてる人は読むといいと思う
  • 協調型リーダーについての記述は豊富
  • ここで記述されていることがメンバーレベルで意識されると、個々の実力によってチームワークが発揮されるチームがうまくいくと思う

感想

そういう世界には〝ヒーロー〟がいます。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.129). Kindle 版.

文脈としては、やってれば覚える、みたいなことをやっているチームで起きる落とし穴のは話で、誰かに聞かないとわからないか知ってれば一人でできる、という二択の世界が広がっているときの話。そういう世界にはたいてい、ハードワークができ、普通の人の2,3倍の作業がこなせて、チームにおけるキーパーソンとなっているヒーローがいる、というお話。ただし、これは負のスパイラルが静かにチームを蝕んでいる。プレイヤーとして優秀なマネージャが牽引しているチームなんかはこれにあたるとおもっていて、新しく参入した人はとにかく回ってきた仕事をこなして覚える、みたいなことをしないといけない。

過去にいくつかその手のチームに属した事があり、そこで新人としてこれはやばいな〜と思ったのを思い出した。そういうチームは人に教えるモチベーションのある人とない人をさっさと区別しないとまずい。まあ経験則ですが、OJTする側がアルバイトとか派遣で、される側がプロパーだと歪なことが起こる時があるのである…。自分の仕事がなくなる!みたいなことを考える人は0ではないのだ。 これはリーダーとしての視点ではないので本著では触れられていないけど、結局人にものをおしえることを渋るとそういうことは起こる。そして、渋った挙げ句「積極的に覚えようとしない」という評価をするなんてことも、ままあるので気をつけたらいいと思う。

・一部のメンバーへの過負荷 ・表面的なコミュニケーション ・限定的で決まりきった仕事 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.157-158). Kindle 版.

これらが負のスパイラルに陥っているチームの特徴だという。ここで過負荷のメンバーが抜けると死ぬわけですね。表面的なコミュニケーションってどうやれば気づけるんだろう?本質的な議論をせずに誰かがタスクをやってくれるよね?みたいな押し付けあいになっていたら表面的なコミュニケーションと言えるのだろうか。 そして、これらは知識量のばらつきが原因で生み出されるといいます。それも同意できる。で、次の引用に続く。

負のスパイラルを生み出すきっかけは知識量のばらつきでしたが、それを加速させているのは「できる人がやる」という発想です。取り組むべきなのは、その発想を克服し、「できないことができるようになる」へとシフトすることなのです。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.170-172). Kindle 版.

これがきっと一番大事なことだと思う。自分ができるからやっちゃうみたいなの、ひどい人(チーム)になると引き継ぐ相手が明確でもやってしまうのでホントだめだと思う。引き継ぎっていうと語弊があるけど、できる人を増やすことにモチベーションの低い人は、僕ならチームの仕事を任せることに強い抵抗を覚えてしまう。属人化がとにかく嫌いで、属人性を増やして放置みたいなのはやらないようにとにかく気を配っている。ここでいう、できる人がやるという発想はできる人がその人だけであるという状態が生まれるから発生すると考えているからだ。早く行きたければ一人で、遠くに行きたければみんなでみたいな話で、一人でいって後は勝手について来いってのは横暴で、しっかりとした足跡は残さないと誰もついていけないよなあ、とか思ったのであった。気をつけたい。

たとえば、「説明する時間がない」といったセリフが頭をよぎらないでしょうか。しかし、これは単なる言い訳にすぎません。説明する時間を惜しむのではなく、自分がその仕事を今後もやり続ける時間のほうを減らすべきであることは、わかっているはずだからです。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.236-239). Kindle 版.

これは単なる言い訳に過ぎない、とすっぱりいってしまうのいいと思う。ここで言っていることも正しいと思う。説明する時間がない、と判断したときに説明する内容について考えるはずで、モノの数秒でその「説明する内容」について考え終わるならその数秒で説明できるはずなので説明すべきなのだ。説明する内容が2,3階層に渡って入れ子構造になったような複雑な知識の積み重ねでも無い限り、説明の必要が出た時点で説明しないのはただの怠惰と言える。そして、そのような複雑な説明を要するものは、ドキュメントになっているのが正しいし、一般的な知識ならぐぐれば出てくるので何と検索すべきか教えるだけでもいいのだ。

まずは自分とは違う形で正しい答えを出そうとしている可能性を充分に考慮したうえで、それでもやはり、スキルや知識の面で問題があるようであれば、引き上げる努力をしなければなりません。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.354-356). Kindle 版.

リーダーという視点から見て能力や姿勢に不安があるメンバーについての言及。これ難しそうだなと思った。自分が知らない世界は、存在しないのとほぼ同じなのでまずは「この人は自分の見えてない世界を見ているかもしれない」と自分を疑うところから始めないといけない。

一つは、指摘する側が感情的にならないことです。怒られていると感じると、人は誰でも防御的になります。そうなると、相手の話を聞くよりもまず、自分を正当化するための言い訳を探し始めます。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.404-406). Kindle 版.

やたら言い訳がましい人、実は感情的に怒られていると感じているのかもしれない。感情的になっていなくても(あるいはそのつもりでも)相手が言い訳がましくなるとイライラするし、そうなれば感情的な言い方になって余計に相手を言い訳がましくするという負のスパイラルは発生しそうだ。

マインドフルネスと呼ばれる瞑想法に基づくプログラムとして「サーチ・インサイド・ユアセルフ」が開発され、一般にも公開されています 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.850-851). Kindle 版.

これはちょっと調べてみようと思う。このマインドフルネスというの、軽く調べてみると僕が過去にやっていた整理法がそれだった。主に料理や洗い物をしながら、1つのなにかに集中して物事を整理し、心を落ち着かせ、その間に結論を出すみたいなことができていた時期があったことにこれで気づけた。時期があった、というのは、最近それができていないということでもある。その言ってしまえば過度に集中した瞑想状態に陥るときに、自分の抱えている嫌な問題(主に家族だったり、人間関係だったり)に意識が一瞬でも向くとそのことに一生懸命になってしまい最悪なので意図的に避けていること、家事をしながら動画をみるのが常になっていることが原因だろう。もう少し心を落ち着ける余裕ができたら、改めて体系的に学んでみてもいいかもしれない。

議論が錯綜しそうな時は「何が課題なのか」が決まるまでは、決して議論を先に進めないという強い意志が必要になります。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.894-895). Kindle 版.

はっとさせられたし、あのとき感じた違和感はこういうことか〜と腑に落ちた。課題意識と解決策はそれらが結びつくが、議論の場においてはそれらを切り離して課題について話すようにしないと発散して結局何をして解決するのかも定まらなくなるのは経験がある。

主張だけを聞いていても、「その人がそう考えている」ことはわかりますが、それが正しいのかどうかを判断できません 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1019-1020). Kindle 版.

これは主張する側も聞く側も気をつけないといけないなとおもった。最近、「Aの件は、Bの課題があるから気をつけないとまずいよね」という主張をしたときに、ただBの課題を解決するだけの方法を提示して「Cの通りやればいいですか?」と聞かれることがあってもやもやしていた。別に僕の承認を求めよと言っているわけでも、許可することを求めているわけでもない。CによってBが解決することはお互いにとって明らかな場合、私の主張が正しいことになって話が進んでしまっている。これをうまく伝わる手段がまだ自分にはなくて、それはあなたがどうするか決めることだ、僕は懸念事項があるから主張しているだけだ、という返しをなるべく優しくするようにしているが、どうしても相手は安心したいのか、承認されたいのかそういう質問の繰り返しになる…。

解釈とは、新しいものごとに出会ったときに、それを自分の世界観に位置づける作業です。この自分の世界観を作り上げているのが日々の経験なのです。経験によって解釈の枠組みが更新され、新しい枠組みに従ってまた新しい経験が解釈されます。この循環を通じて、人は成長していきます。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1337-1340). Kindle 版.

シンプルにめっちゃいい言葉だなと思った。これ、自分の世界観が固まりすぎると、新しいものを自分の知ってる範囲でしか解釈できずにトンチンカンな理解をしてしまうんだろうな。機械学習=AIみたいな認知ってそういうところでうまれるんだろうか。

実行時に求められる責任とは、目標を達成しようと最善を尽くすことであり、その過程と結果に対して説明する義務を果たすことです。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1484-1485). Kindle 版.

強めに同意しつつ、肝に銘じる。

論点整理と課題の設定は、一方通行に流れるものではありません。あまりに論点が広がりすぎるようであれば、課題の設定に立ち戻り、より具体化するように心がけてください。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1841-1843). Kindle 版.

これ、うまくできると一気に話が進んで気持ちがいいですが議論に参加している人みんなが一旦広がりを止めよう、という気持ちにならないと進まないので難しいよね。

調整をする際には、いったん自分の頭をリセットして、相手の目線から見えている景色を眺めるように意識しましょう 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1911-1912). Kindle 版.

脅迫をしない、という文脈での話。話している側からするとただ選択肢を提示しているだけでも、相手からするととにかくその中から選べといわれているように感じるという話。気をつけないといけない。

「評論型」のメンバーに対しては、何かしら問題を発見した場合に「それに対して何ができますか?」「どうすればその課題を解決できますか?」のような具体的な行動を促す質問を投げかけ、意識を行動に向けるようにしましょう。 和智 右桂. スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1964-1966). Kindle 版.

これ、今のマネージャによく聞かれる気がする。なんのためにそれをしようとしているのかという課題が、解決方法の議論や考察の中で置いてきぼりになっていざ管理職などの承認のために説明をする際に疎かになっているんだと思う。気をつけよう。 (こういう、リーダーの挙動の真意を探るためにもこの手の本を読むのはいい手だと思う)

読んでどうだったか

僕は技術的に秀でた存在になりたいという思いはあっても、まだチームのリーダーになりたいかと問われたときにリーダーという言葉からマネージャを連想するせいで素直にYesとはいえない。チームを牽引する存在であろうとしているか、と問われるとそれはYesだと思うし、マネジメントではなくチームにおけるまさしくリーダーシップを意識するのに本著はいい本だったと思えた。前述したけど、マネージャのような名実ともにリーダーであるべき存在が何を考えているのかとかを理解するとよりコミュニケーションは阿吽の呼吸に近づけるので、メンバーとしてもこういう本は良書っぽいのは読んでいきたい。